地上資源とは何か

地上資源とは、地下に存在する地下資源に対し、地上に存在する資源である。使用済の地下資源(いわゆる都市鉱山など)と、再生産可能な生物由来の有機性資源(バイオマス)が含まれる。

近代の経済活動は、地下資源によって支えられてきた。石油などの化石燃料、鉄やアルミニウムなどの鉱物資源、ハイテク機器に欠かせないレアメタル、原子力発電に必要なウラニウムなどの地下資源は、いずれも早晩、枯渇する運命にある。また地球環境に対する負荷も懸念されている。特に石油やレアメタルなどの地下資源の分布は、特定の国や地域に偏っていることが多いため、往々にして国際的な摩擦の原因にもなる。

これに対して近年、提唱されているのが地上資源という概念である。携帯電話やパソコンなど電気製品の部品の原材料として地上に存在するレアメタルや、バイオ燃料の原材料になりうる樹木や農作物など、地上に存在し、かつリサイクルや再生産が可能な資源を総称して、地上資源と呼ぶ。地上資源を有効活用することで、地球環境に対する負荷を減らし、資源枯渇を回避し、地下資源の偏在という矛盾を軽減できるという期待が、近年高まってきている。